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全国的にウメの開花が遅れる中、和歌山県みなべ町の「南部梅林」が今週、例年より約10日遅れで満開を迎えた。
梅の里観梅協会によると、今冬は寒さが厳しく、12~1月に雨が少なかったため開花が遅れた。この時期、例年は花が散っていることが多いが、今年は3月初旬までが見頃となるため、当初の予定から1週間延長し、同9日まで開園する。
日本最大級の同梅林は古くから「一目百万、香り十里」と称され、約80ヘクタールの山肌には約8万本の木がある。ほんのりと甘い香りが漂う中、山肌を白く染めるように花が咲いた風景を見ながら、訪れた人たちが散策を楽しんでいた。
国の統計によると、ウメの収穫量は和歌山県が、60年連続で日本一を維持しており、みなべ町は県内有数の産地として知られる。JA紀州によると、花の色づきやめしべの状態は、実が不作だった昨年よりも良い。今後暖かい日が続けば、ミツバチによる交配が順調に進み、収穫量の増加が期待できそうだという。
気象庁によると、和歌山市のウメの開花は2月19日で、平年より7日遅く、昨年の1月30日と比べ20日遅かった。全国の観測地点のほぼすべてで平年より遅く、高松市では平年比で35日、東京では同7日遅かった。